昨日、素敵夫婦から「4・5日に島に遊びにいっていい?」と突然の嬉しい連絡をもらってワクワクしてるところです。
素敵夫婦とは、2015年夏、名護とJAIST(北陸先端科学技術大学院大学)のKJ法ワークショップ「ミニ移動大学」で一緒でした。(JAISTでは奥さんだけ来てたかな)ミニ移動大学で過ごした4日間が濃ゆすぎて、2回しか会ったことがないとは思えない親近感があります。会う前に、当時を振り返ろうと思って写真を探してみたのですが、図解以外が行方不明…。仕方ないので、記憶だけで振り返ってみます。
と、その前にKJ方と移動大学について簡単にご紹介。
KJ法とは
言わずとも知れた、川喜田二郎先生が開発した発想法。グルーピング手法として使われるなど誤解された使い方が散見されるけど、最近また見直されてきてますね。KJ法についてはまたいずれ書いてみたいと思います。
移動大学とは
1969年、大学紛争が活発になる中で当時東京工業大学の教授であった川喜田先生は、日本の行く末を案じ教授をやめて、発足させたのが移動大学です。
毎回場所を変えて、大自然の中で2週間程度のワークショップが行われ、100名を超える社会人や学生が集まり、大きなテントを張ってフィールドワークや、討議を行ったそうです。移動大学は1999年を最後に開催されていないそうです。[1]
ミニ移動大学は、川喜田先生のお弟子さんでもあるJAISTの國藤進先生が、2008年以降夏休みの4日間で開催されています。
私が参加した名護は別の方の主催でしたが、どちらも同じく川喜田二郎先生のお弟子さんの山浦晴男先生が指導してくださいました。
ミニ移動大学の思ひ出
特に初参加であった名護の4日間を色濃く覚えています。
フィールドは名護商店街。大型スーパーができ、商店街が衰退しているというのは日本全国どこにでもある課題です。名護商店街も同じ課題を抱えていました。
名護のミニ移動大学がなぜこんなにも印象に残ってるのか?2年半たった今、振り返ってみたいと思います。
現場リーダーの参加
ワークショップメンバーにKJ法を学びたいと集まった私たち以外に、現場の人(商店街の事業者)が入っていたこと。しかもリーダー的存在の人です。
彼がフィールドワーク中の私たちの気付きや発見に加えて事実を付け加えてくれたり、間違った解釈を正してくれたり、生活者の立場からの意見や問題を教えてくれました。
そして、何より彼は本気でした。その本気度が私たち外部の人間をどんどん名護の生活者視点に引き込んでくださったと思います。
外部の人間として参加した、地域をテーマにしたワークショップのほとんどが観光資源への着眼点しか持てなかったり、アイデアも観光関連になりがちです。
この名護のワークショップでは、私的には観光だけでない、生活者をユーザーとしたアイデアを出せました。
フィールドワークの気づきを写真を使ってKJ法A型図解化
図解化に使わなかった写真も貼り出す(使う写真の抽出もプロセスがある)
アイデアも図解化 これらは全て生活者や行政の方を集めてプレゼンし次の実現ステップの足がかりまでつくります
大自然の中の開放感
季節は夏。そして、沖縄。
うだるような暑さ中、商店街の中をフィールドワークするのはしんどかったです。その辛い経験を一緒にしたことで、仲間意識が高まったように思います。
さらに、まだ明るいうちから海辺でのBBQ。日中にジリジリ焼けた肌と頭を、海とビールで冷やし、飲みながらまた議論が続いていました。
頭も身体も汗かいて、化粧とかも崩れるし(私はほぼスッピンだったので問題なし)体裁とかお構いなしなし。海も空も青いし、緑は濃い、太陽は痛いくらい眩しい自然環境の中、参加者もありのままで、一体感がすごかったように思います。
最後の一人ひとりの振返り感想を発表する時間、うるっと感動したのってこのワークショップだけかもしれません。(明日遊びに来てくれる奥さんは泣いてたなぁー)
フィールドワークで感情移入し議論では主観意見も関係ない雑談も交わして、図解化では客観的に判断していく。主観と客観を交差させながら分析して発想していくのがKJ法の醍醐味かと私は思ってます。
2年半たって
ミニ移動大学に限らず、ワークショップに参加していつも思うのは、当事者願望。
このミニ移動大学の後も、望めば各テーマに関わることはできました。でもしなかった。
外からの関わりは、ずっと外。そういう人も必要だけど、私は、関わるなら生活者として、当事者として関わりたいという想いが大きくなっていきました。
そんなこんなで、大三島に移住し、オオミシマスペースをはじめ、ここでの暮らしは小さな実験でありライフワークだと思っています。
[1]國藤 進 : 究極のアクティブ・ラーニング教育としての 「ミニ移動大学」教育, 日本創造学会 SIG アクティブ・ラーニング特集, 2017
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