8月12・13日のお盆休み真っ只中にDIYワークショップを開催しました。
当初は「みんなで楽しく共同作業できたらいいな」という思いでしたが、終わってみると「楽しい」だけでは全然言葉が足りない、貴重な経験でした。

2日間の様子は、講師の高橋さんと参加者の小田さんのブログが詳しいので、ぜひご覧ください!

ことのはじまり

このワークショップのきっかけは、6月。
昨年実施されたUXDセミナーの参加者が大三島に遊びに来てくださり、その中のおひとりが工務店の高橋社長。高橋さんが、「床貼りワークショップしましょうよ!」「講師として来ますよ!」とおっしゃってくださり、実現しました。
(詳しくは、しまなみ突撃隊@UX KANSAI

高橋さんは工務店の社長だけでなく職人起業塾もされており、大工の請負だけでなく職人の教育事業もされていたりと、超多忙。
空いているスケジュールも8月はこの2日間しかない状況のなか、本当にお願いしていいのか悩みましたが、高橋さんは工務店の未来を見据えてこんな思いで来てくださったようです。
陳腐化との戦い。@しまなみ海道

DIYは計画的に!

DIYワークショップの実施が決定してから、すぐに地元の工務店さんにお伝えするもなかなか工事が始まらず、実際着手されたのは7月末。(これぞ島時間…)
そこから、急ピッチに解体および基礎工事や電気の引き込みがはじまりました。
同時に私も壁の漆喰をDIY。
電気の引き込み工事した後の土壁を埋め、ワークショップ直前になんとか漆喰を塗り終わり、本番の朝にはすでに全身がボロボロ。。。

(前日に遊びにきてくれたファミリーのキッズもお手伝い)

準備8割

ワークショップ前日の夕方、高橋さん到着!
息つく間もなく、現場を確認してワークショップの準備をしてくださいました。
ワークショップではリビングの広いエリアからはれるように、玄関のややこしい部分を先に貼ってくださっていたのですが、その長さの調整がすごく絶妙。いきなり職人の技を見て、本当に素人でできるのだろうかとちょっぴり不安になりつつ本番を迎えます。

本気のワークショップ

当日は13時集合でしたが、この日はお盆休み真っ只中。全員が集合したのは15時すぎでした。
到着された方から、高橋さんの指導の元、釘打ちの練習を経て、いざ釘を打ちまくり!

(美しい斜め45度!)

飲み物や夕食の準備などの裏方仕事の合間に作業を覗きに行く度、釘打ちのスピードと精度があがり、丸鋸で床材をカットするようになる人が表れ、幅定規という特殊な方法で採寸してたり、みるみる技術があがっていきます。
さらには、参加者が阿吽の呼吸で作業が効率的に進んでいく、チームとなってました。


(師から弟子へver)

「丸鋸がなかったら私はただのオジサン」by 高橋さん名言

(兄弟子から弟弟子へver)

(カンナ)

カンナの砥石は「嫁貸しても砥石貸すな」という言葉があるくらい自分色に染まるものらしい。

(幅定規。フローリング職人が使う寸法取りとのこと。)

高橋さんがひとりひとりの技量や立場をみて、役割を与えていくタイミングも絶妙でした。そうすることで、みんなで同じことをするのではなく、それぞれが自分の技量や全体の状況を見て、自律的に役割を担うようになっていくようでした。

また、翌日には中学生が飛び入り参加。そうすると、先輩参加者が指導します。
師匠から弟子、そして一番弟子から二番弟子。技術や知識が引き継がれていきます。

私たちが主催するUX KANSAIでもワークショップがありますが、私たちは兄弟子になれてただろうか?と自問自答。
セミナー運営者としてのヒントもいただいたような気がします。

みんなでひとつの釜のめしを

釜のめしではなくBBQですが。

今回参加してくださった全員がオオミシマスペース(一部我が家)へ宿泊くださいました。必然的に、ご飯もお風呂も寝る場所も一緒。ワークショップ以外の生活も共にし、大家族みたい。

最終日には、花火まで。まるで床貼りの完成を祝ってくれてるみたいで感動のタイミングでした。

共創するワークショップ

私たちが所有する物件の床を貼っていただくこのワークショップ。
普通なら私たちが謝礼を支払うべきところ、参加費を払って参加してくださいました。

これが体験のサービスだと言えばそれまでですが、それだけではありません。
主催者の私たちに、得も言われぬ責任感と勇気をいただき、何かのキャズムを乗り越えて覚悟が強固されていきました。
参加者にも技術の習得や「楽しかったね」という安易な感情だけでない体験が得られた。と思います。

その要因のひとつは、自分ごととして参加いただいていたこと。
このDIYワークショップに入る前にUX KANSAIのセミナーを通じてしまなみ海道と関わりをもっていた参加者が半数いたことで、ただ床を貼るのではなく、この空間がどういう人を呼び込み、地域にとってどんな役割になるかまで想像してくださいながら手を動かされてたことと思います。

また、大学生や中学生が参加されたことで、兄弟弟子モデルができたこと。

そして何より、床を張り切るというひとつの目標に向かって、参加者自ら役割をつくり、場の空気をつくり、そして楽しむ。
そんな共創的ワークショップを目の当たりにし、まだ言葉に整理しきれていませんが多くの学びをいただきました。

育てていただいた志

今回のワークショップやクラウドファンディングでの経験では、経営者としての志を育てていただいている気がします。

DIYワークショップをせずに工務店へ発注するだけの方が楽です。
そうすると、このプロジェクトは自分だけの責任。失敗しても自分のせい。

でも、今は違います。もうオオミシマスペースは私たちだけのものではありません。
時間や労働力、応援する気持ちを遺憾なく提供くださった参加者や高橋さんのものでもあります。


(最後にみんなのサインをいただきました。先に帰られた方はすみません!書いておきます!)

「辞めなければ失敗ではありません。」と背中を押してくださった所属会社の社長の言葉がより重くなりました。
きっと転びまくると思うけど、「成功するまでやり続ければ「成功」。それを楽しめれば「大成功!」」(by 過去所属会社の社長)という思いで、みんなのオオミシマスペースを何もないけど何でもできる創造的な場にしたいと思います。

何かと頼りない私たちですが、今後もどうぞよろしくお願いします!